【建設リサイクル法】大阪府内の届出窓口と実務上の注意点を徹底解説

大阪府内で建物の解体や新築、リフォーム工事を行う際、事前に届出要否を確認しなければならない手続きの一つが「建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)」に基づく届出です。
大阪府内における建設リサイクル法の届出窓口は、建築物か工作物か、あるいは工事を行う市町村によって細かく分かれています。例えば大阪市の場合、建築物や認定道路外の工作物は中之島の市役所ですが、認定道路内の工作物は南港のATCビルが窓口です。また、堺市は市役所で対応してくれますが、隣の松原市になると大阪府の咲洲庁舎へ行かなければなりません。
着工直前の忙しい時期に提出先の間違いが発覚し、役所間を行き来することになれば、現場の貴重な時間が削られてしまいます。
この記事では、余計な移動や二度手間を避けたい元請業者様や現場監督に向けて、1級建築施工管理技士と行政書士のダブルライセンスを持つ専門家が、実務上のポイントを解説します。
建設リサイクル法の届出が必要になる工事規模
建設リサイクル法における届出の基準は、大阪市や堺市、その他の市町村であっても、全国一律の基準が適用されます。以下の規模に該当する工事を行う場合は、事前の届出が必要です。
- 建築物の解体工事:床面積の合計が80平方メートル以上
- 建築物の新築・増築工事:床面積の合計が500平方メートル以上
- 建築物の修繕・模様替等の工事(リフォーム・リノベーション等):請負代金の額が1億円以上
- その他の工作物に関する工事(土木工事や外構工事など):請負代金の額が500万円以上
大阪府においては現在、政令通りの全国一律基準が採用されていますが、他府県に越境して工事を行う際には、自治体独自の基準が設けられていないか注意が必要です。
また、「建築物」と「工作物」は法律上明確に区分されており、擁壁や駐車場などの外構工事を単独で行う場合は「その他の工作物(500万円以上)」の基準が適用される点も現場で混同しやすいポイントです。
特定建設資材とは?
上記の面積や金額の規模に該当し、かつ工事において以下の「特定建設資材」を使用する、あるいは解体によってこれらが発生する工事が届出の対象となります。
- コンクリート
- コンクリート及び鉄から成る建設資材(プレキャスト鉄筋コンクリート版など)
- 木材
- アスファルト・コンクリート
特定建設資材に指定されているこれら4品目は、「経済性の面において制約が著しくない(リサイクル費用が非現実的でない)」ものとして国が選定しています。
大阪府が定める建設リサイクル法実施指針では、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊の再資源化率目標を「概ね100%」と極めて高く設定しており、現場での徹底した分別解体(手作業等による分別)が強く求められています。
さらに、特定建設資材には指定されていない「石膏ボード」や「プラスチック」などについても、大阪府はできる限りの分別解体と再資源化を強く推奨しており、現場での混合廃棄に対する行政の監視の目は年々厳しさを増しています。
大阪府内の届出窓口に関する注意点と分類
大阪府内における建設リサイクル法の届出先は、建物の構造や用途による窓口の変化はありません。しかし、工事の対象が建築物なのか工作物(土木工事や外構工事など)なのかによって、同じ市内であっても受付を行う部署や庁舎が完全に分かれる自治体があります。
- 各市役所が窓口になる自治体
大阪市、堺市、東大阪市、豊中市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、八尾市、寝屋川市、茨木市、岸和田市、箕面市、門真市、池田市、和泉市、羽曳野市
※対象物によって庁舎や担当課が分かれているケースがあるため、事前の確認が必要です。
大阪市:「建築物」および「認定道路区域外の工作物」は中之島にある本庁舎の計画調整局 建築確認課が窓口です。一方、「認定道路区域内の工作物」は南港のATCビルにある建設局 工務課が窓口となっています。
堺市: 建築物は建築安全課が窓口、工作物(土木)は土木監理課が窓口となっています。
茨木市: 建築物は建築調整課が窓口、工作物(土木)は建設管理課が窓口となっています。 - 大阪府(咲洲庁舎)が窓口になる自治体
松原市、泉佐野市、柏原市、藤井寺市、摂津市、交野市、四条畷市、大東市、大阪狭山市、富田林市、河内長野市、高石市、泉大津市、貝塚市、泉南市、阪南市
上記の自治体は大阪府の窓口(住宅建築局 建築指導室 審査指導課)へ提出する必要があります。
このように、同じ市内の工事であっても対象物によって提出先が異なるため、事前の窓口確認が必要です。
なお、大阪府内の各自治体における具体的な担当部局名、課名、直通の電話番号や詳細な所在地については、大阪府がホームページで公表している一覧からご確認いただけます。詳しくは以下の窓口一覧をご参照ください。
各自治体が発行している公式資料も、実務の確認に大変役立ちます。目的に応じて以下のガイドラインや概要資料もご参照ください。
- より詳細に建設リサイクル法の手続きや運用基準を理解したい方
- 制度の全体像や届出の流れなどの概要をスムーズに理解したい方
届出のタイミング
建設リサイクル法の届出は、工事着手(仮設・仮囲工事等を含む)の7日前までに提出しなければなりません。
この7日前という期限の計算方法は、自治体や窓口の運用の解釈によって数え方が異なる場合があるため注意が必要です。
自治体によっては、届出日と着工日の間に丸7日間を空ける中7日という計算方法を求めているケース(着工日の8日前までに提出)もあります。
一方で、着工日の前日を1日前と逆算して7日前(中6日)で受理されるケースもあり、一律の運用にはなっていません。
大阪府内の実務において、万が一書類に不備があった際の手戻りリスクを無くし、現場を止めないための鉄則としては、着工日の前日から数えて丸7日間(中7日)を完全に空けるスケジュールで動くのが最も安全です。
届出を「7日前まで」に行うにあたり、実務上ポイントとなるのが事前の「書面交付義務」です。建設リサイクル法では、元請業者は発注者に対して届出事項などを事前に書面で説明する義務(法第12条)があり、さらに請負契約書の中に分別解体の方法や解体費用を明記する義務(法第13条)があります。
「着工の7日前に届出すればいい」とギリギリに動くのではなく、契約段階から建設リサイクル法の様々な義務を組み込んだスケジュール管理を行うことが、本当の意味でのコンプライアンス遵守となります。
代理資格について
建設リサイクル法の届出は、発注者本人または自主施工者本人が行うことが原則ですが、実務においては、専門知識のない発注者に代わって、施工業者が書類の作成や提出を行うケースが多く見られます。
これらについて、施工業者が発注者に代わって行政機関への届出(書類作成や申請の代行)を無資格で行い、報酬(元請金額や諸経費、手数料などの名目を問わず)を受け取ることは、行政書士法違反となるリスクがあります。
ここで実務上、非常に誤解が多いのが「建築士と行政書士の対応範囲の違い」です。
大阪市の案内ページをはじめとする行政のホームページ等には、届出を代理・代行できる有資格者として「建築士及び行政書士」と一括りに並記されています。そのため、「解体工事や土木工事の届出においても建築士に全部任せればいい」と誤解している業者も少なくありません。
しかし、建築士法第21条で建築士に代理が認められているのは、厳密には新築などの『建築物の建築に関する法令』の手続きに限られます。法律上の厳格な定義において、「解体工事(除却)」や道路などの「土木工事(工作物)」、一般的なリフォームは『建築』には含まれません。
つまり、自治体の案内に「建築士及び行政書士」と併記されているのは、新築・解体・土木といった様々な工事をひとまとめにして大まかに記述しているに過ぎず、個別具体的な「業際(資格の対応範囲)」を担保してくれているわけではありません。この法律の隙間を理解せずに手続きを丸投げすることが、後々の大きなトラブルの火種となります。
おわりに
建設リサイクル法の届出をはじめ、建設現場における各種届出や法令遵守の判断に迷うことはありませんか。
当事務所では、1級建築施工管理技士と行政書士のダブルライセンスを活かし、多忙な現場監督の疑問にいつでも回答する工事届出・コンプライアンス顧問相談サービスを提供しています。
これまでの実務経験をもとに、自己判断による手続き漏れや工事ストップのリスクを未然に防ぎ、現場が施工管理に集中できるセーフティネットを構築いたします。
詳しいサービス内容や料金プラン、お客様の声などは、下記の特設ページをご覧ください。
当事務所は大阪府堺市に拠点を置いておりますが、以下の主な対応エリアをはじめ、大阪府全域の工事届出に関するご相談に迅速に対応いたします。
主な対応エリア
大阪市、堺市、東大阪市、八尾市、松原市、柏原市、藤井寺市、羽曳野市、大阪狭山市、富田林市、河内長野市、高石市、泉大津市、和泉市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市
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